レチノン・セラミド・アルブチンなど難しい成分が、女性が毎日使うスキンケア商品には多く美容成分が含まれています。あまり聞き覚えのない成分が、どのようにお肌に作用しているのかあまり分かりませんよね。
美肌を維持し、きめ細やかいデリケートな肌を維持するためには毎日のスキンケアが欠かせません。毎日多くの人がスキンケアをしていますが、そういう方はどのような基準で商品を選んだりしているのでしょうか?
化粧品に含まれている美容成分は、商品ごとに期待される効果が異なります。例えば、シミを改善したいのに美白成分が重点的に含まれている化粧品を選ぶと、なかなか自分の求めているニーズに達成するために時間がかかってしまいますよね。
目的に応じて、化粧品や美容成分を正しく理解して使用することが1番大切ですので、今回は注意しておきたい化粧品選びに役立つ美容成分についてご紹介していきます。
注目の美容成分10選
アルブチン

多くの美容成分に含まれているアルブチンは、シミやそばかすの原因となるメラニンに必要な『チロシナーゼ』の活性を阻害してくれ、メラニンの生成を防ぐ役割があります。
皮膚科の処方箋でも医薬品として出されている『ハイドロキノン』と同様の成分構造で、効果は抜群であり、『お肌の美白剤』とも言われています。
しかし、薬局で処方されるハイドロキノンよりも刺激が少ないため、デリケートなお肌でも安心して使用いただけます。
多くの美容商品に含まれているアルブチンは、『美白効果が抜群』で売り出されていますが、シミ取りやそばかす除去にはあまり効果がなく、あくまで予防として使用しましょう。

アルブチンは市販の商品も登場しており、毎日の寝る前のスキンケアに取り入れている方も多くおられます。
気になるお顔のシミやそばかすに対して効果を発揮するものであり、こまめに使用することが大前提ですが、一本使用した頃にはシミの大きさや濃さが改善されたと言う評判もあります。
またシミやそばかすだけではなく、お肌の美白効果もありますので、トーンアップにも最適です。
アスタキサンチン

アスタキサンチンはよく聞いたことのある名前ではないでしょうか?多くの美容商品に含まれている美容成分であり、サーモン・カニやトマトなどの赤色の魚介類や野菜によく含まれている天然色素で、抗酸化成分や抗炎症成分が豊富に含まれています。
『抗酸化』は美容にとても大切な成分の1つです。抗酸化とは、体の酸化によって老化に繋がったり、老化によるシミや肌の弾力が失われるのを防ぐのに効果を発揮するアンチエイジング美容成分です。
美容だけではなく、体の老化を防ぐ健康的な栄養素として、多くサプリメント等が販売されています。
フラーレン

フラーレンは他の美容成分と比べるとあまり聞きなれない成分ですが、最近注目の美容成分です。フラーレンはビタミンCの170倍の抗酸化作用があり、酸化やさびを防ぎ、体の老化を防ぐ効果があります。
『アンチエイジング美容成分』として、アスタキサンチンと同様の効果を発揮しますが、フラーレンは敏感なお肌にも安全に溶け込みます。
老化防止、美白効果、免疫力の向上などが期待でき、安全に使用できる成分が豊富に含まれています。
また後から紹介するビタミンC誘導体の商品にと併用や混合している化粧品を使うことによって、お肌への効果を効率的にしてくれます。
ちなみにフラーレンはノーベル化学賞を受賞するほどの画期的な美容成分であり、食材等には含まれていません。フラーレン美容成分を組み込んだ化粧品を使用し、外部から浸透させる方法がおすすめです。
セラミド

お肌のつなぎ役で有名なセラミドですが、美容成分として数多くのスキンケア商品には配合されているため聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか?
セラミドとは、『誰のお肌にも存在している、お肌の細胞どうしや水分を繋ぎとめる』という役割をしています。
セラミドが不足してしまうと、お肌の中にある水分が出ていってしまい、カサカサなお肌になったり、バリア機能が減少してしまうため、お肌に直接かかるダメージを防ぐことができずに、シミやそばかすの原因にもなります。
もともとお肌に存在しているセラミドですが、年齢や環境とともに減少していきます。そのため、セラミドを補充してあげないといけません。
セラミドは『食事から摂取する自然由来』と『化粧品から取り込む合成由来』に分かれますが、自然由来で食材で摂取するには以下の食材に多く含まれています。
【セラミドを含む食材】
- 米
- 小麦
- わかめ
- こんにゃく
- ひじき
- 豆類
ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は若返りの美容成分として、健康食品や美容に特に人気です。ヒアルロン酸は、セラミドと同じく元から体内に存在しているゼリー状の物質で『お肌保湿・保水成分』、お肌の柔軟性や弾力性を支えている重要な役割を果たしています。
お肌の調子だけではなく、筋肉や軟骨など体の至るところに生成されており、細胞同士を繋ぎ止める役割もあります。
しかしセラミドと同じように、歳を重ねていくたびにヒアルロン酸の生成が遅れるため、減少していきます。
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ヒアルロン酸を含むのは人間だけではなく、多くの動物や植物にも生成されています。特にうなぎやフカヒレ、海藻やオクラといった比較的食感にヌメリやプルプルしたものに多く含まれているため、毎日の食事から体内に取り込むことが簡単にできます。
【ヒアルロン酸が多く含まれている食材】
- うなぎ
- 魚の目
- すっぽん
- 海藻
- オクラ
- 鶏の皮
コラーゲン

コラーゲンはタンパク質の一種で、そのタンパク質の30%がコラーゲンで構成されています。タンパク質といえば、三大栄養素である『炭水化物、脂質、タンパク質』の一角を担っているほど重要な栄養素で、人間にとってタンパク質、コラーゲンの重要性はとても高いです。
コラーゲンの役割としては、ヒアルロン酸と同じく、体の至る所に生成されており、主に『皮膚や腱、軟骨、血管』の細胞を構成するための物質です。
美容の観点から、コラーゲンがお肌の組織の70%と高い割合を占めて構成されているために、『コラーゲンがお肌の調子を整える』と言われている所以でもあります。
残念ながらコラーゲンは分子構造がとても大きいので、肌に直接吸収させるることが難しいです。食事から摂取しようとしても、コラーゲン自体には栄養素がなく、コラーゲンが多く含まれている食材を積極的に摂取したところで、直接体内でコラーゲンの生成が活発になることはありません。
しかしタンパク質の30%がコラーゲンですので、コラーゲンよりも普段の食事からタンパク質が多い食材を食べる方が効率的にコラーゲンを生成することができます。
【コラーゲンを多く含む食材】
- フカヒレ
- 牛すじ
- 軟骨
- 鶏皮
レチノイン酸

化粧品にも多く含まれているレチノイン酸は、ビタミンA誘導体で、アンチエイジングを促進してくれる美容成分として注目を集めています。お肌のヒアルロン酸と水分含有量を増加する効果があり、肌の細胞を若返らせてくれる面があります。
昔からアメリカでお肌のトラブルである、ニキビやシミ、そばかすに効果的な治療薬として処方箋のお薬として使用されてきました。最近では市販で売られている美容商品にも含有されています。
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しかし市販のお薬では、医薬品として売られているレチノイン酸よりも数十倍希釈されているため、即効性はありません。
レチノイン酸と同じビタミンAを多く含む食材は以下の通りです。日頃からバランスよく摂取することにより、お肌のターンオーバーを活性化させ、細胞の活性化を促すことによって、きめ細かい肌を保つことにつながります。
【ビタミンAを多く含む食材】
- レバー
- バター
- 卵黄
- ほうれん草
- モロヘイヤ
- うなぎ
トラネキサム酸

トラネキサム酸も美容品には多く含有している注目の美容成分で、お肌の黒ずみを防止する美白効果と保湿効果を発揮し、2002年に国でも認められた細胞を再生化する成分です。トラネキサム酸はコラーゲンと同じく、タンパク質を構成する成分で、アミノ酸の一種でもあります。
また冒頭に紹介した『アルブチン』と同様に、シミやそばかすの原因となるメラニンの生成を阻止してくれます。トラネキサム酸の有効性については、2006年に日本の大手化粧品メーカーで行われた3ヶ月のトラネキサム酸摂取によって、シミの濃さが89%減少や大きさが50%も改善されたというデータがあります。
トラネキサム酸は合成されたアミノ酸の一種ですので、食品から体に取り込むことはできず、美容品に頼るしかありません。しかしシミを生成するメラニンを抑制する抗酸化物質が含まれている食材は多くあり、以下の通りになります。
【シミを抑制する食材】
- キウイ
- カボチャ
- ブロッコリー
- ゴーヤ
- そば
ビタミンC誘導体

ビタミンCは言わずも知れた美容や健康食品ですが、ビタミンCがどのように体に作用しているかご存知でしょうか?美容商品にはビタミンCではなく、ビタミンC誘導体が使用されています。
化粧品等にビタミンC自体を使用してしまうと、吸収率が悪くなってしまい、分子の構造が不安定になるため使用されていません。その代わりに、同様の効果を効率よく吸収させるために開発されたのがビタミンC誘導体になります。
皆さん『ビタミン』はしっかり摂取していますか?と聞かれても、毎日の食生活の中でビタミンがどのくらいどの種類を摂取している…
もちろん吸収率や結合率を上げるために開発されたもので、与える美容効果はビタミンCと同じです。先ほども紹介したトラネキサム酸と同様に、シミの原因となるメラニンの生成を抑制、過剰な皮脂の分泌を防ぎ、ニキビの発生を抑えるなど、お肌全般の管理をビタミンCが行ってくれています。
ビタミンCが多く含まれている食材の特徴として、『酸っぱいフルーツ』というイメージがありますよね。そのほかに多くの野菜にも含まれていますので、お肌の大事な栄養素として積極的に摂取することが大事です。
【ビタミンCを多く含む食材】
- アセロラ
- ゆず
- キウイ
- レモン
- ピーマン
- ブロッコリー
- 瓜
エラスチン

最後に紹介するのが聴きなれない成分かも知れませんが、お肌のハリには欠かせない『エラスチン』です。エラスチンもコラーゲンやトラネキサム酸と同じように、タンパク質を構成している成分の1つです。
あまり聞きなれないのには理由があり、他の美容成分として紹介した物質よりも水に馴染まないため、使い勝手が悪いとされており、なかなか商品開発として研究が進まなかったのが現状です。
しかし研究が進み、水に馴染みやすいエラスチンが開発されてからは急速に普及し始めました。エラスチンはもともとコラーゲンなどと同じく体内に存在しており、25歳をピークに歳を取るにつれて減少していく物質です。
減少することによって、『シワやたるみ、動脈硬化、心筋梗塞』など、美容以外にも体の大事な機能に障害が生じてしまいます。
エラスチンは魚や動物の血管に多く含まれていますが、なかなか食材として摂取するのが難しいです。そのためサプリで補うのが効率的とされています。