糖質・タンパク質・脂質と三大栄養素の1つである脂質ですが、脂質と聞くと『ダイエットの敵』『脂肪のもと』『健康にわるいもの』というような悪いイメージがありませんか?
ちなみに五大栄養素と呼ばれる、糖質・タンパク質・脂質に加えてビタミン・ミネラルも併せて、体を健康的に保つためにバランス良く摂取することが大事と言われています。

その中の『脂質』は、健康に悪い肥満の根源であったり、悪玉コレステロール増加による動脈硬化などを想像してしまいがちですが、実は種類によっては人間の体になくてはならない栄養素の一つです。
例えば、ダイエット、筋トレの効率をあげるために、良質な脂質を摂取する必要があるのは知っていましたでしょうか?
そこで今回のコラムでは体の健康に役立つ『良質な脂質』と体に害をする『悪質な脂質』について細かく解説したいと思います。
皆さん『ビタミン』はしっかり摂取していますか?と聞かれても、毎日の食生活の中でビタミンがどのくらいどの種類を摂取している…
皆さんは『ミネラル』と聞いて、何をイメージしますか? 例えば『ミネラルたっぷり含有』と聞くと、天然水や食塩に多く含まれて…
脂質の働き

脂質は、私たちが活動するうえで重要なエネルギー源です。
1gあたり9kcalとタンパク質や糖質と比べて、約2倍の体を動かすエネルギーをつくり出します。
また、細胞膜の成分やホルモンを作る成分として重要な役割を果たしています。
他にもビタミンA、D、E、Kの吸収の促進や、皮下脂肪として外部刺激からの内臓保護する役割があります。
脂質の働きについて分かったところで、次に良質な脂質と悪い脂質の違いについて解説していきたいと思います。
良質の脂質

オメガ3脂肪酸
良質な脂質の一つは、不飽和脂肪酸に分類されており、体内で合成できない必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれ、食事からの摂取が不可欠な栄養素です。主に魚の脂に多く含まれる、DHAやEPEなどが代表的なオメガ3脂肪酸です。
そのため脂肪燃焼や代謝アップにつながり、ダイエットや筋トレにも役立つ脂肪酸なので積極的に摂るのがオススメです!
他にもオメガ3脂肪酸には10もの期待できる効果がありますのでご紹介します。
- コレステロール値低下
- 高血圧予防
- 中性脂肪抑制
- 脂質異常症予防
- がん予防
- ダイエット
- 美肌効果
- 抗アレルギー作用
- 眼病予防
- うつ病の抑制
MCTオイル
DHA、EPEなどの良質な脂質だけではなく、最近ではMCTオイルというものが注目されつつあります。
これは、中鎖脂肪酸と体内で吸収・分解されるスピードが速く、エネルギーになりやすい特徴をもっています。
他の脂質と違って、分解がされやすく消化が速く、直接肝臓に運ばれるので体脂肪として蓄積されにくいためです。
また、DHA、EPEと同じ効果をもっており筋肉の維持につながります。
ダイエットをしていると体は筋肉を分解し栄養をとろうとしますが、速攻でエネルギーに代わるMCTオイルを摂ることで筋肉の分解を防ぎ、筋肉を守ることができるのです。
ケトジェニックダイエットにMCTオイル
最近流行りの糖質をカットした『ケトジェニックダイエット』にMCTオイルがピッタリです。
ちなみにケトジェニックダイエットとは、糖質をカットする代わりに、良質なタンパク質や脂質を多く摂ってエネルギーを生産しつつ、脂肪燃焼を促してケトン体の生成を高めるダイエット法です。
MCTオイルには、中鎖脂肪酸が豊富に含まれていますので、内臓に吸収されて消化されるのが早く、ケトン体が早く生成されますので、かなり効果的にダイエットの成果が出ます。
Googleで2540万件も検索されている『ケトジェニック・ダイエット(略してケト)』ですが、ダイエットに関する検索部門…
悪質な脂質

飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、チーズ、肉、卵胞などの動物性脂肪などの常温で固体の脂質です。
飽和脂肪酸をとりすぎると、悪玉コレステロールが増加し、心筋梗塞をはじめとする循環器疾患のリスクが増加してしまいます。
食事摂取基準では、日本人が現在摂取している飽和脂肪酸の量の中央値をもとに、目標量の上限が設定されています。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は油脂を精製・加工する際にできる脂質です。飽和脂肪酸と同じく過剰に摂取してしまうと動脈硬化の原因になります。
先進国の多くはトランス脂肪酸の摂取の注意喚起、表示義務、規制があります。
一方、日本においてはトランス脂肪酸の明確な基準値を設けていません。
近年では食品業界において、トランス脂肪酸を減らしていく動きがとられてきましたが、逆に飽和脂肪酸が増加傾向にあります。
脂質は体によいものと悪いものがあります。
良質な脂質を普段のダイエットや食生活にとりいれて健康的な体を目指していきましょう!